寒暖差疲労にご用心

11月は秋から冬への移行期。朝晩の冷え込みが強まり、日中との気温差が10℃以上になる日も珍しくありません。さらに、日照時間の減少や湿度の低下も加わり、体は常に環境の変化に対応しようとフル稼働しています。この時期に「なんとなく疲れが取れない」「風邪でもないのに体調がすぐれない」と感じる方が増えるのは、寒暖差疲労が原因かもしれません。
★寒暖差疲労とは?
朝晩は冷え込むのに、日中は動くと汗ばむ──そんな季節の変わり目に「だるい」「頭が重い」「やる気が出ない」と感じたことはありませんか? それは「寒暖差疲労」と呼ばれる状態かもしれません。寒暖差疲労とは、気温の急激な変化に体がついていけず、自律神経が乱れることで起こる不調のことです。 自律神経は体温調節や内臓の働き、血圧、呼吸などをコントロールしていますが、寒暖差が激しいとその調整にエネルギーを使いすぎてしまい、心身ともに疲弊してしまうのです
ちょこっと豆知識:「寒暖差アレルギー」って知っていますか?
急激な気温変化によって鼻の粘膜の血管が反応し、くしゃみや鼻水が出る症状を「寒暖差アレルギー」と呼びます。風邪でも花粉症でもないのに鼻がムズムズする人は、このタイプかもしれません。
★主な症状とチェックポイント
寒暖差疲労の症状は多岐にわたります。以下のようなサインが出ていませんか?
✅ なんとなく体がだるい
✅ 朝起きるのがつらい
✅ 頭痛や肩こりがひどい
✅ 顔がほてったり、手足が冷えたりする
✅ 気分が落ち込みやすい
✅ 眠りが浅く、疲れが取れにくい
これらはすべて、自律神経のバランスが崩れているサインです。特に、冷え性・運動不足・ストレスを抱えやすい方は要注意です。
★自律神経を整える生活習慣のコツ
① 体を温めて「血流」をサポート
寒暖差に負けないためには、まず血流を良くすることが大切です。首・手首・足首の「3つの首」を冷やさないように意識しましょう。カイロやマフラー、レッグウォーマーなどで温めるのも効果的です。また、毎日の入浴もおすすめ。38〜40℃のぬるめのお湯にゆっくり浸かると、副交感神経が優位になり、緊張がほぐれます。
② 規則正しい生活リズムをつくる
自律神経を整える基本は「生活のリズム」です。起きる時間と寝る時間をなるべく一定に保つことが、体内時計の安定につながります。特に朝は、カーテンを開けて朝日を浴びることがポイント。太陽光を浴びることで「体内時計」がリセットされ、1日の自律神経リズムが整います。
③ 食事でエネルギーを補給
寒暖差疲労の背景には、「冷えによる代謝低下」もあります。体を内側から温める食材を取り入れましょう。
- 生姜・ねぎ・にんにく:血行促進、代謝アップ
- 根菜類(にんじん・ごぼう・れんこんなど):体を温め、腸を元気に
- 鮭・卵・大豆製品:タンパク質で疲労回復
また、疲れをためないためには「ビタミンB群」も大切。豚肉や玄米、納豆などを積極的に取り入れてみてください。
④ 軽い運動で「自律神経のスイッチ」を切り替える
ウォーキングやストレッチなどの軽い運動は、交感神経と副交感神経の切り替えをスムーズにします。特に朝や夕方の10〜20分のウォーキングは、自律神経をリズムよく動かすトレーニングになります。
ちょこっと豆知識:「深呼吸」も立派な自律神経ケア
深くゆっくり息を吐くと、副交感神経が優位になりリラックスモードに。仕事の合間や寝る前に、3回ほど深呼吸するだけでも気分がスッと落ち着きます。
季節の変わり目は、体も心も揺らぎやすいもの。でも、それはあなたの体が「ちゃんと頑張っている」証でもあります。寒暖差疲労を防ぐ一番の方法は、自分の体の声をよく聞くこと。「ちょっと冷えたな」「少し疲れたな」と感じたときに、温める・休む・深呼吸する——それだけでも体はしっかり応えてくれます。どうか無理をせず、ゆるやかに季節の変化を楽しみながら、心地よい毎日をお過ごしください。