冬の朝を心地よく迎えるための“やさしい目覚め“

冬になると、「朝がつらい」「布団から出られない」という声が、一気に増えてきます。
気温の低さ、日の出の遅さ、乾燥、睡眠リズムの乱れ……。さまざまな要因が重なり、冬の朝はほかの季節よりも身体が動きづらくなる時期です。
でも、ほんの少しの工夫と環境づくりで、冬の朝はもっと心地よく、軽やかに迎えられます。
今回のコラムでは、毎日の生活に無理なく取り入れられる「冬のやさしい目覚め習慣」をご紹介します。
★ 冬の朝がつらい理由
・体温が上がりにくい
人は目覚める前に体温が自然と上がり、活動の準備を始めます。ですが冬は室温が低いため身体が温まるのに時間がかかり、目覚めが鈍くなります。
・光の量が減る
日の出が遅い冬は、睡眠と覚醒のリズムをつくる「体内時計」が乱れやすくなります。光が不足すると、目覚めにくく、日中の眠気やだるさにつながります。
・乾燥による不快感
乾燥した空気は喉や鼻の粘膜を刺激し、深い睡眠を妨げることがあります。気づかないうちに睡眠の質が下がっている場合も。
・冷えによる筋肉のこわばり
温度の低い環境では身体が縮こまり、筋肉が固まりやすくなります。血流も落ちやすく、朝の重だるさにつながります。
こうした要因が重なり「起きにくい」「だるい」と感じる人が増えます。そこで大切なのが“やさしい目覚め”。無理に起きるのではなく、体と心を自然に目覚めさせる工夫です。
★ 起きる前の準備
実は、起きる“直前〜5分前”の過ごし方が、冬の目覚めを大きく左右します。
① 起床30分前のタイマー暖房
エアコンを“弱めの設定”でつけておくだけで、布団から出る抵抗がぐっと減ります。
・設定温度:18〜20℃
・乾燥が気になる場合は、洗濯物を室内に掛けておくと加湿にも。
② 朝日を取り込む工夫
光は体内時計のスイッチを入れてくれる、最も自然な「目覚まし」です。
・起床時間に合わせてカーテンを少し開けておく
・タイマーで開くカーテンを使う
・朝日が入りづらい部屋は、電球色ではなく「昼白色」のライトをつける
これだけでも、冬のぼんやりした朝の感覚が減ります。
③ 目覚ましは“優しい音”を
急に大きな音が鳴ると、自律神経が一気に緊張し、だるさにつながります。
・小鳥の鳴き声
・波の音
・心地よいメロディ
など、徐々に音量が上がるタイプのアラームがおすすめ。
★ 起きてからの身体を温める習慣
① 布団の中でできる「3つのゆるストレッチ」
いきなり起き上がると、冬の冷気で筋肉が固くなりやすいので、布団の中で少し体を温めます。
-
手足をぐーっと伸ばす(10秒)
→ 血流が自然に戻り、体温も上がりやすくなります。 -
足首をゆっくり10回まわす
→ 足先の冷え改善に効果的。 -
深呼吸を3回
→ 酸素を取り込むと脳が目覚めやすい状態に。
② 白湯を一口
起床直後は体温が最も低い時間帯。温かい飲み物が内側から身体を温め、胃腸もやさしく動き始めます。白湯・温かいお茶・スープなど、無理なく飲めるものならOK。
③ 太陽の光を浴びる
ベランダや窓際で1〜2分光を浴びるだけで、脳が「朝だ」と認識します。これは睡眠ホルモン・メラトニンの調整にも役立ち、夜の眠りも整えてくれます。

★ 朝の支度を快適にする工夫
① 朝の冷えを防ぐ服装術
・首・手首・足首を温める
・厚着より“薄手を重ねる”方が体温調整しやすい
・起きたらすぐ羽織れる上着を枕元に置いておく
② 朝の乾燥対策
冬の乾燥した空気は、喉の不快感・寝起きのだるさにつながります。
・加湿器
・濡れタオルを干す
・コップ1杯の水を部屋に置く
③ 朝食は“身体を温めるメニュー”を
◎ 味噌汁 ◎ 卵料理 ◎ オートミール ◎ 温野菜
特に味噌汁は、
・温かい ・発酵食品 ・具材次第で栄養バランスもよくおススメです!
冬の朝のつらさは、決して“気合”の問題ではありません。
寒さ・光不足・乾燥など、さまざまな環境が重なって起こる“自然なこと”です。
だからこそ、
・身体を温める ・光を取り入れる ・乾燥を防ぐ ・朝の負担を減らす
といった小さな工夫が、冬の目覚めをやさしくサポートしてくれます。
無理に気合を入れなくても、できるところから一つ取り入れてみるだけで十分です。冬ならではの環境と上手につき合いながら、少しでも快適に一日を始められるヒントとして、今回の内容がお役に立てば幸いです。