夏こそ注意!感染症と虫刺され予防

夏は屋外活動が増える季節です。その一方で、蚊やマダニなどによる虫刺されや、子どもを中心としたウイルス感染症のリスクが高まります。軽く見て放置すると、炎症や二次感染、重症化につながることもあるため、正しい予防と初期対応が不可欠です。
① 注意すべき感染症と原因
蚊媒介感染症
国内では蚊が媒介するウイルスによる感染症(例:日本脳炎)に注意が必要です。感染しても数日~数週間は発症に気づきにくく、発症すると脳炎や重篤な症状を引き起こすケースもあるため、蚊に刺されないこと+蚊の発生源対策が基本です。
マダニ媒介の感染症
森林・草むら・畑などではマダニが潜み、人が近づくと皮膚に吸血します。SFTS(重症熱性血小板減少症候群)や日本紅斑熱などを媒介し、中高年ほど重症化リスクが高まります。感染時には発熱・嘔吐・下痢などが現れ、致命的となることもあります。
夏季のウイルス性感染症
子どもを中心に「手足口病」「ヘルパンギーナ」「咽頭結膜熱」、さらにはRSウイルスやコロナウイルス感染などが見られます。手洗い・咳エチケット・換気の基本対策が非常に重要です。
② 虫刺されのリスクと注意すべき虫
- 蚊:かゆみ・腫れ・炎症を引き起こし、ときに感染症の媒介にも。日中や夕方の公園・茂み・墓地で多く見られます。
- マダニ:体長1〜3mm程度で気づきにくく、数日間吸血し続けることも。SFTSや日本紅斑熱、ライム病の原因になります。
- ブユ(ブヨ)・シナノヌカカ:水辺や湿地に多く、刺されると膨らみや発疹が広がり、掻きすぎると跡が残ることがあります。
- ハチ類:スズメバチなどの毒性の強い虫に刺されると、アナフィラキシーショックを起こす危険があります。
③ 感染症・虫刺されを防ぐ予防策
✔ 服装と露出対策
- 長袖・長ズボン・帽子・手袋など肌の露出を抑える着衣が基本です。薄手で通気性の良い素材を選びましょう。
- 濃い色や柄もの(黒や紺、花柄など)は虫が寄り付きやすいため、白やベージュなど淡色を選ぶと効果的です。
- ズボンの裾は靴下に入れ、首にはタオルやストールを巻くなど、侵入を防ぐ工夫をしましょう。
✔ 虫よけ剤の正しい使い方
- ディートまたはイカリジンを含む虫よけスプレーやジェルが効果的です。特に子どもへの使用は濃度と使用回数に注意しましょう。
- 肌に噴霧後は均等に塗布し、汗や摩擦で効果が薄れるため数時間ごとに塗り直すことが大切です。
✔ 環境整備と衛生習慣
- バケツ・植木鉢の受け皿・空き缶など、水の溜まる場所(蚊の発生源)は定期的にチェックして除去しましょう。
- 草刈りや剪定によって虫の潜む植込みや藪を減らし、家庭菜園・庭周りを整理する習慣も有効です。
- 室内では網戸や蚊帳の活用、蝋燭やアロマ式の虫よけの使用も効果的ですが、換気は忘れずに。
④ 刺された後の正しい対応
・流水で患部を丁寧に洗浄し清潔に保つことで細菌感染を防ぎます。
・保冷剤や濡れタオルで冷却し、炎症・かゆみを緩和しましょう。
・市販の抗ヒスタミン剤や外用ステロイドの使用でかゆみを抑えます。
・掻かないよう注意し、痕が残らないよう初期対応が重要です 。
・発熱・腫れ・膿・呼吸困難などの異常がある場合は速やかに医療機関へ受診しましょう。
⑤ 基本のセルフチェックリスト
項目 |
チェックのポイント |
肌の露出を避けた服装か |
長袖・長ズボン・帽子・手袋等が着用されているか |
虫よけスプレーを適切に使用 |
成分・対象年齢・使用回数を守って均一に塗布しているか |
水たまりや雑草など対策しているか |
庭や周囲の環境を整備し、虫の発生を減らしているか |
刺された後の初期対応ができているか |
安全に洗浄・冷却・薬の処置が行われているか |
発熱・腫れ・全身症状がないか |
異常があれば医療機関へ早めに相談しているか |
家族や仲間と安心して楽しむ夏を過ごすために、夏の感染症リスクと虫刺されについての正しい知識と予防策を身につけましょう。特に、小さなお子さんや高齢者、免疫が弱い方がいる場合は、早めの対策が安心につながります。ぜひこのコラムを参考に、安全で快適な夏をお過ごしください。