8月は心のケアも忘れずに〜夏季うつ・季節性ストレス対策〜

夏季うつ(夏型季節性情動障害)や季節変化によるストレス不調は、猛暑・冷房・日差しなどの環境要因が自律神経のバランスを乱し、気分の落ち込み・疲労感・不安感・不眠・食欲低下などを引き起こす可能性があります。夏バテと似たつらさを感じたときは、心の疲れにもしっかり向き合いましょう。
★夏季うつとは?症状と背景
- 症状の例:やる気の低下、外出の気力減退、不眠や早朝覚醒、食欲不振、消化不良、頭痛など身体症状が伴うこともあります。
- 原因:冷房と外気の激しい温度差、強い日差しによるストレス、昼夜のリズムのずれ、栄養不足(特にトリプトファンやセロトニンの材料)、女性ホルモンの影響などが関係します。このような心身の変化は、夏バテと混同されがちですが、気持ちの面での落ち込みが中心なら「夏季うつ」の可能性があります。
心と体のバランスを整えるセルフケア
● 温度差と環境のストレスを緩やかに
冷房の効いた室内と猛暑の屋外を出入りする際は、急激な温度変化を避けることが重要です。帰宅時に冷たいシャワーや入浴で身体を段階的に調整するのも有効です。
● 栄養で支える心の健康
乳製品、大豆製品、ナッツ、たまご、魚、肉類など、トリプトファンやビタミンB群、マグネシウムを意識的に摂取し、セロトニンの原料となる食習慣を取り入れましょう。水分補給は豆乳や牛乳の利用も良い選択です。
● 生活リズムと休息の習慣
- 毎日の起床・就寝時刻を一定にすることで体内時計を整え、自律神経のバランスをサポートします。
- 朝や夕方の軽いウォーキングやストレッチで気分をリフレッシュ。自然光を浴びることも心に効果的です。
- 「一人の時間」を意識的に取ることも大切。無心で過ごす時間や深呼吸、瞑想、小さな静かな趣味を取り入れて、心に余白を。
● 快適な室内環境を整える
- 遮光カーテン、帽子・サングラス、レースカーテンによるソフトな光の調整で、刺激を緩和します。
- エアコンと扇風機を併用し、26〜28℃程度の室温を保ちつつ、冷えすぎを避ける工夫を。風が直接身体に当たらないよう配慮することで、自律神経への負担も軽減できます。
★判別と受診の目安
- セルフチェックの例(以下の項目が3つ以上あれば要注意)
- 毎年夏になると気分が沈む
- 食欲が低下し、眠りが浅い
- 出かける気力が低い
- 頭痛・消化不良・疲労感が続く
-
受診の目安:
症状が2週間以上続く場合、日常生活に支障が出てきた場合、あるいは希死念慮や極度の不安感などがある場合は、心療内科や精神科、メンタルクリニックの受診を検討してください。
④ 習慣チェックリスト
項目 |
チェックポイント |
起床・就寝時間が毎日安定しているか |
生活リズムを整えているか |
栄養バランスのある食事を心がけているか |
トリプトファン、ビタミン類、タンパク質を意識しているか |
朝夕の軽い運動や深呼吸・リラックスタイムを持てているか |
自律神経と気分の安定に繋げているか |
室温・光・エアコンの使い方など環境調整が適切か |
過度な冷熱刺激を避け、快適な環境を維持しているか |
頻繁な疲労感や不安、落ち込みが続いていないか |
異常を早期に察知し、対策または相談しているか |
8月は体の疲れだけでなく、心の不調にも注意したい時期です。無理しすぎず、自分なりのバランスを保ちながら、小さな習慣を積み重ねて心身を整えることが大切です。周囲の人とも支え合いながら、穏やかで心地よい夏を過ごしてくださいね。